• 2018-04-09 (月) 15:15
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開催中の展示会『水の記憶』の作品から。

 いま開催中の展示会『水の記憶』から、一押しの作品を紹介しよう。上に掲げた『来訪』(1991年)である。これは「珊瑚花畑」シリーズの四十五番目に描かれたもの。

 この作品が描かれた1991年は、“神話”や“物語”を題材にしたものが多く、作家もこれらのテーマによく関心を示していた。ちなみに、そのあとの時期1993年ごろからは“自然”を心のなかで深く捉えるという“自然畏怖”の時代に入っていった。

 さて“物語”の時代の最後の方にあたるこの『来訪』の特徴は、青い玉が数カ所に配されてはいるものの、ほぼ黒と黄色の2色だけで表現されているという大胆さにあるようにおもえる。この大胆な表現こそが作品の完成度を高める大きな原因になっているはずだ。つまり作品は黄色と黒の大胆な使い方によって観るものに“瞬間的な印象の強さ”と“思いを馳せる物語性”の二つを充分に感じさせているようにおもえる。