風はどこから吹いてくる。

 ボクネン美術館では「風」がよく出てきます。前回の展示会が「風の聲」でしたし、作家の画集のタイトルが『風のゆくえ』(これはラジオ番組のタイトルにもなりました)でした。それから奄美開催の最初の個展名も「風の島から」でした。さらに、アカラの建物にも二つの「風」の道があります。

 これらの「風」の登場は、偶然の一致ではありません。作家自身が「風」に対する“おもい込み”がすごくあるんですね。ちなみに「風」の話を始めたらとまらないほどですから。

 さてこの「風」の魅力は、どこにあるんでしょうか。季節を感じるから、あるいは気持ちがいいから、ということだけでしょうか。

 そうでもないところが、この南島のまた面白いところです。たとえば、昔の琉球の人々は、「風」が“オボツ・カグラ”(天にあるあの世)から吹いてくるものとおもっていたみたいなんです。「風のふるさと」は、天上界だったんですね。(掲載作品『椏檀風』 45.0×45.0cm、2000年)