作品に言葉を載せてみよう。

 

もうご存知のかたも多いとおもいますが、ボクネン美術館では、版画専門誌『版画藝術』に広告を兼ねて、作品にタイトル以外の「言葉」をのせる試みをしています。もちろん作品には、タイトルというものがあります。それは作家が名づけたもので正式な名称ということになります。でも、ここで私たちは作家にことわりを得て、自由自在に言葉をのせてみて、タイトルのイメージを離れて作品に旅をさせてみることにしたのです。ボクネンが「絵は観るひとのものである」ということと通じますね。

さて、前書きはこれくらいにして、今回『版藝』No.176(夏号)での作品は『巌臥蒼龍』(がんがそうりゅう、2008年、94×469 cm)。そこで、この絵のイメージを広げて『千年の孤独』とつけてみました。いわゆるこの松の老樹は、幾重にも枝を伸ばし、そこらじゅうに影をつくり出しています。幹も頑丈で、とにもかくにも成長の止まりを知りません。孤独をなるべく多くするということは、人間でもそうですが、想像力を高めたり、そのひとを成長させる大きな要素となるというのはよく聞く話です。

この老樹が長い時間をかけて見事に成長しえたのは、まさに千年の時間のなかで「孤独」を友人としたからでしょう。この老樹が雨後の竹の子のように、周囲のたくさんの仲間たちに囲まれていたら、決して『巌臥蒼龍』にはならなかったとおもいます。