春の展示会、始まる。

 先週の土曜日(3月25日)から、ボクネン美術館では新しい展示会『風の聲』(古層からの手紙)が始まっています。ちょうど今、春先の季節、いろんな風を感じる絵が44点、展示されています。ぜひ、足を運んでいただければとおもいます。

 それでは、新展示会でのぼくの一押しを紹介します。画面の上にあります『走る夏風』(1991.48.0×31.3cm)です。この絵の目を引くのは、なんといっても中央に生垣が膨らむようにたくさんの花たちが風に揺らいでいるようにみえるところです。ボクネンの絵には、ときおりこのような「揺れる小さなものたち」が表現されます。ぼくはこの表現を、なんだか「ひとやものへの慈しみ」に思えてなりません。このささやかなタッチは、初めて描いた油絵『クシメーバル』でも確か、木彫り人形のような小さな農夫たちが農作業をしている作品にも感じられました。

 以上のことは、おそらく「小さいものほど大きい」という思想的なものではないでしょうか。たとえば、作家は成長してから故郷は小さな島だけど、大人になるにつれて大きく感じられる、と言っています。このことは、小さきものにこそ備わっている大きな愛のような力なのではないかと思えます。(展示会は7月9日まで)