投稿日時:2016年11月21日(月) 16:03

青の魔法を観においで。

gs2

今年最後のボクネン展が先週の金曜日(11月18日)から始まっています。今回で、はや19回目。展示会名は『闇夜の詩』(やみよのうた)です。館内には作品45点が「夜のまつり」のように並んでいます。さて、ここで展示会の副題を「青の魔法」にした理由を少しだけお話しましょう。

ボクネンの闇(夜)作品では「青」が重要な役割を果たしているのは、ファンならもうご存知のはずです。普通は闇(夜)と言うと、黒(闇)と白(ひかり)が世界をつくっているのではないかとおもわれがちですが、作家の展示会の作品では「青」をふんだんに塗って幽玄の世界を広げているのが、ひとつの特徴と言えるでしょう。

これは、作家の島の自然への体験的観察眼はともかく、「青」が作品において幽玄、あるいは民話(寓話)の世界を紡ぎだしているのものだと、ぼくはおもっていました。ところが、この数年前、「白」と「黒」の世界のなかで「青」の役割が科学的にも明確に証明されていることを知ってびっくりしました。つまり、暗い闇のなかで太陽の光が1%ほどに少なくなると、それに反応するように「青」のきらめきが躍動するというのです。

つまり、闇(夜)を描くためには、「幽玄」とか「民話」の世界をテーマ的に表現するばかりでなく、実際に「青」が存在し大きな役割を果しているという事実があるというのです。そして、その「青」は、なんとスーパースターなみの働きをするのです。「青」は絵画においては、自らの「青」の仕事だけでなく、「黒」や「白」の役割さえも演じているのです。これを「青の魔法」と言わず、なんと言えばいいのでしょう。

そんな「青の魔法」が間近に観ることができる、今回の展示会です。ぜひ、この機会にボクネン美術館まで、足をお運びください。あなたにきっと「青の魔法」をかけてみせますよ。展示会は2017年、3月20まで。(上掲作品は『星の道』1997年)